2008年03月24日

十五文字目「待」

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嫁が「Wii Fit欲しい」と言い出した。
どうも近所の友達ん家で興じたところ、思いのほか心奪われたようだ。
無論「欲しい」とおねだりしてみたところで僕が買い与える訳はなく、嫁自身がポケットマネーで買うのだ。
僕の懐は全く持って痛まない。にせよ問題は、彼を我が家にどう招き入れるかだ。と言うより、僕が彼とどう付き合うかだ。
僕は生まれてこの方テレビゲームと生活を共にしたことがない。
だから「テレビゲームが我が家に来る」と言われても、それは僕にとっては「アメリカ人がホームステイに来る」ようなものだ。
その昔、ファミコンでスーパーマリオブラザーズが流行った頃、友達ん家で一度やらせてもらったことがある。
ひねもす向き合ったが結局1面クリアー出来なかった。
ファミリースタジアムに至っては0対26とこてんぱんにやられてしまった。
まるで、街で外国人に声をかけられて、何が何だか解らず「NO!NO!NO!・・・」と逃げ去ってしまう。そんな苦い思い出だ。

ある日、近い将来、まっさらな顔をしたWii Fitがウチのリビングに鎮座している。
相手は機械だ。無視しようと思えばいくらでも無視することはできる。
しかし我が嫁が、いわば新妻が、突如やって来たそのWii Fitやらと楽しく戯れる姿を、ただ傍らで指をくわえて眺めている、そんな亭主でいいのかということだ!
見たこともない妻のはしゃぐ姿に耐えきれず、寝室のベッドに潜り込む、そんな男に成り下がってしまっていいのかということだ!
このままでは確実にWii Fitに負けてしまう。人間が機械に負けてしまう。
僕が人間として、男として、ひとまわりもふたまわりも大きくなればいい話か?
妻が機械と戯れる姿を、ゆったりソファーに腰掛けてワイングラスでも片手に、ガウンなんか羽織ったりなんかして、暖かい眼差しで愛でてやればいいということか?
残念ながら今の僕にはそんな器量は持ち合わせていない。無理やりやったとしても、それは只のプレイに過ぎない。

もはや為す術なし。
嫁が彼のことを忘れてくれる日を、ただただ息を殺して待つのみだ。
posted by もりさわまさはる at 23:08| 大阪 ☀| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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